国境の南 world music & bar

DIARY

December 2007>>

ROBERT PLANT/ALISON KRAUSS

それにしても最近のツェッペリン周辺の盛り上がりは、何それ?って感じですなぁ。レコ屋はもちろん、TV、FM、雑誌、果ては電車の車内貼りまでえらいことになっとりますねぇ。ストーンズ公演のバック・ステージで亡くなった故アーメット・アーティガン追悼イヴェントでの再結成アナウンスに始まって、ベスト・アルバムや「永遠の詩」完全版DVDやゼップ結成前のレア音源リリースなどなど、ネットでチケットに1900万円!の値が付いたとかプロモーターが詐欺ってモメてるとかのゴシップネタとも相まって、まさにツェッペリン号大炎上の図であります。
クィーンに続けってか?となると近々パープルも来るな。まさに自らの青春時代を回顧しつつ懐古のムードに浸る、そんな世代が今のロックに於けるいちばんのマーケットってことでしょう。そんな後ろ向きなことじゃあ会社、解雇されるよ(削除)。

で、そのゼップのロバート・プラントが、カントリー・ブルーグラスのフィドラー/シンガーのアリスン・クラウスと組んでリリースした新作「RAISING SAND」がとても渋くて優しくて深くて、シビレました。曲は以前の「ゴーイン・トゥー・クラークスデイル」からのもの以外ほとんどカヴァーですが、トム・ウェイツやエヴァリー・ブラザースなどの有名どころから、ジーン・クラーク2曲(ディラード&クラークの2ndから)、タウンズ・ヴァン・ザントなど、超渋い曲が並びます。こう書くだけだとオーソドックスなカントリー・ロッキンな音を想像してしまいますが、どっこいプロデュース兼プレイヤーのT・ボーン・バーネットと、ほぼ全面参加の変態ギタリスト、マーク・リボーがツルンで、深遠かつ妖艶なサウンドを紡ぎ出しています。ラテン・プレイボーイズやらスティーヴ・アールあたりがお好きな向きにはピッタリハマって頂けるかも。そうそうベニー・スペルマンのN・O・クラシック「フォーチュン・テラー」なんかもやってます。そういえば先のファッツ・トリビュートにはロバートさん2曲も入ってたもんね。好きなんですねぇ。

ロバートさんほどのビッグ・ネームで、自分のやりたい音楽をこれほどフットワークも軽く追求してるひともなかなかいないのでは、と思います。この姿勢こそロッカーたる所以だと思います。とかいって、ただアリスン嬢に惚れたからだけの理由だったりして。でもそれこそ真のロッカーたる所以です(笑)。

ついでながらこのCD、親密なふたりを捉えたモノクロームのジャケ写がイイ感じです。やっぱヤッテルな(笑)。因みに写真家はパメラ・スプリングスティーン、ボスの娘さんです。まさかパメラに手出してないだろうなぁ。妄想が膨らむ一方の寒い夜です。オマエが寒い?すみません。

November 29, 2007 09:56 PM

RAY DAVIES

この前のスプリングスティーンにはジャケ写で「買うよな、オマエ」と脅されましたが、このレイ・デイヴィスの新作ジャケ写には「買えるもんなら買ってみろよ、オマエ」と言われてる気がして、売り言葉に買い言葉「買ったろうやないか」ということになりました。それにしても1stソロのリリースが確か去年のこと。もう2ndですか?年寄りにしては驚異的ハイ・ペースです(笑)。

何せブリティッシュ・ロック界きってのヒネクレ者バンド「キンクス」の頭ですからして、今回の新作も本国ではプリンスのマネして新聞の読者に無料配布したりしてるみたいですが、内容はますます充実した円熟のロック・アルバム。昨今の「グローヴァリゼーッション」をテーマとした曲あり、「ワーキンマンズ・カフェ」と「インターネット・カフェ」を対峙させて時代の変遷を憂えてみせる曲ありと、スインギン・ロンドンの流れに乗って音楽を始め、以来モッズ、グラム、NWOBHR、パンク、ニューウェーヴなどなどの流れのすぐそばに佇みつつも直に交わることなく、いつも斜に構えてシニカルな視線を送り続けてきた稀代のヘソ曲がり大王の、まさに面目躍如といったところです。

この人には、まだ世の中に対する怒りや不満というかつてロックを突き動かした根本のところの要素が、表出のかたちこそ違えしっかり残っていて、今も泉のように湧いてきている気がします。同じく怒りや不満を内に秘めて正面玄関からの突破を図るボスに対する、同志的意味合いを込めた勝手口からの挑戦状と、勝手に受け取りました(笑)。

ついでにロバート・プラント&アリスン・クラウスの新作もと思ったところ、団体のお客様が。よって次回にでも。こちらも渋くて最高です。

November 23, 2007 09:04 PM

JONI MITCHELL & JAMES TAYLOR

昨日レコ屋覗いたらびっくり、ジョニ・ミッチェルとジェームズ・テイラーのライヴ「THE CIRCLE GAME」がリリースされてました。1970年10月28日、ロンドンはロイヤル・アルバート・ホールでのステージだそうで、ふたりの歌とギターだけのライヴです。ジャケ写は素敵ですが、このCD曲目以外まったくデータ記載なく、ジョニのサイトも一切無視ってとこみると、なんかブートくさい気が。
こんなの出るって聞いてねえぞ!ってことでいろいろネット見てたら、これはBBCの放送用音源で、しかも音は翌日29日のパリス・シアターでのもの、という情報がアップされてました。げに恐ろしきはマニアの世界です(笑)。

まぁ細かいことはともかく、内容はもう感動ものです。1970年シンガー・ソングライター・ムーヴメントの黎明期にあって、その後のシーンを牽引していくデビュー直後のふたりのウイウイしい歌が、これ以上ないシンプルなセットで展開されています。それぞれに初期のアルバムから、ときにソロで、ときにデュエットで淡々と歌い綴っていくだけですが、無駄な音が一切無い分歌の美しさが際立ち、ほのぼのとしたMCとも相まって当日会場の暖かい雰囲気を直に味わうことができます。

全11曲中とくに興味を引かれたのは、ジョニについてはこの時点でまだリリース前の「BLUE」から「CAREY」「CALIFORNIA」の2曲、ジェームズもリリース前の「STEAMROLLER]「YOU CAN CLOSE YOUR EYES」の2曲を披露していること。穿った見方かもですが、当時のふたりの溢れんばかりの創作意欲を示しているようで、なんか前向きで嬉しくなっちゃいました。

歌というものが、ひとりの人間という最もシンプルなところから発せられ多くのひとびとの心を掴むようになった、輝かしい良き時代の記録。抗えません。 

November 13, 2007 07:53 PM

ORCHESTRA BAOBAB

オルケストラ・バオバブの新作「MADE IN DAKAR」が素敵です。ほんとうに久々にアフリカの湿った熱風に浸る思いです。詳しくはFB/DJさんのサイト、および国内盤に付される6000字!におよぶライナーをご参照ください。以上。

「おい、ワールドミュージック・バーの店主がそんだけかよ!」とお叱りを受けそうです。思えばこの日記でも過去ワールド系の話題を取り上げたこと、数えるくらいしかないし(汗)。それは何故か?答えは簡単、よく知らないからです(笑)。これでも10数年前までは夢中でレコード集めたりライヴ行ったりしてたものですが、96年にシャレでワールドミュージックを標榜した店を始めた途端に環境は一変、音楽を活かした場を目指しながらも、逆にレコ屋やライヴ会場などの現場からは益々足が遠のくというジレンマに陥ったのでした。想像するに、ほとんどの音楽バーのオーナーは同様の経験をしてるのではないでしょうか。
まぁその時点でコレクションという6文字は頭のなかから消去、以来いろいろなかたちで音楽にリンクされてるお客さん皆さんが最大の情報源となっていったのでした。

お蔭様で今は、いろいろなジャンルのマニアックなサイトを拝見したり実際にお話を伺ったりしながら気になったレコードを適当にツマミ買いって感じ。御気楽極楽です。

「要するに何が言いたいワケ?」「えっと、国境がワールドミュージック専門店と思ったら大間違いってこと」「つまり開き直ってるワケね」「いや、開いたけど、直ってはいません」「意味がわからん!」「よく知らないと白状はするけど、それでいいとは思ってません」「う〜ん・それでどうしたいの?」「より充実した音楽バーにするために、皆さんの部屋に眠ってる聞かなくなったレコード、ください」「なんだ、物乞いかよ!」

かつて湯浅学さんが幻の名盤開放歌集に寄せた名口上「すべての音盤はすべからくターンテーブル上で平等に再生表現される権利を有する」。国境はこの精神に則って日夜精進を重ねていくことをお約束して、簡単ではございますが所信表明にかえさせていただきます。大連立はいたしません。まったく意味不明(笑)。

November 4, 2007 10:27 PM

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