国境の南 world music & bar

DIARY

July 2007>>

PAUL McCARTNEY

スフィアン・スティーヴンス熱が一段落したところで最近ヘヴィー・ローテーションもいいとこなのが、天才ポール・マッカートニーの新作「MEMORY ALMOST FULL」。
かれこれ二週間ほども前に入手はしてたものの、最初のうちはレーベル移籍したのか、とか声の感じが少し変わったなとか、余計なことが気になってイマイチ微妙みたいな感想だったのですが、もう百回近く流しているうちにそれぞれの楽曲がグングンと迫ってきて、今ではこれポールのソロ・ワークのなかでも最高傑作なのでは、などと思い始めてます。
まさにロング・アンド・ワインディングロード。ビートルズ、ウイングス、ソロを核に数え切れないほどのプロジェクトを経て到達した、そのすべてが溶け込んだ極致。芳醇な古酒の味わいを感じさせる音楽だと思います。フォロワーは星の数ほどあれど、才能と経験と実績から「にじみ出るもの」はマネの出来ないこと、よってまさにワン・アンド・オンリーの世界を創れるのだと思います。6月18日で65歳を迎えた孤高のミュージシャンの、これぞロック魂。奇跡の一枚。
「にじみ出るもの」といえば、いま食肉偽装で話題のミート・ホープ株式会社(どういう展開っすか!)。神聖なる牛や豚に対して、切り刻んで血で色つけて内臓ブチ込んで挽肉(ミート)として偽装商品化するという暴挙によって、せめて人様に喜ばれればという牛や豚のかすかな希望(ホープ)をも踏みにじった、家畜じゃなくて鬼畜の会社ですが、ここの田中稔という社長が記者会見してるのをニュースで見て思ったのです、失礼ながら牛と豚を掛け合わせたような顔だなぁと(笑)。
「にじみ出るもの」を顔見て感じるってことは、この社長も若いころは一生懸命働いて会社を大きくしてきた苦労人だったのかも。どこかの時点で客から目を逸らし自分を守ることへとシフトしていった末路が、今回の事件ってことでしょうか。
人間の品格を諮る基本要素はその生き方にウソがあるかないか。ポールの音楽には間違いなく品格が感じられるし、ミート・ホープには品格の欠けらもありません。
しかしなんでまた俺は天下のポール・マッカートニーとインチキ肉屋の爺さんを比べてあーだこーだ言ってるんですかねぇ。怖いわ。こんなブログ世界広しといえど絶対にここだけでしょう。従ってワン・アンド・オンリー、偉い!

June 22, 2007 08:06 PM

爆発

至極近所のスパ施設「松涛温泉」で本日昼すぎ大きな爆発事故が起きました。が、近所とはいえ当店とは距離にして二百メートルほどの距離があって、幸い実害は皆無でした。心配してご来店いただいた皆様、また遠くから電話やメールをいただいた皆様、有難う御座いました。取り敢えず普通にやってますのでご放念ください。
この施設、去年の初め頃に出現した際いったい何なのか不思議に思って、入り口にいたセキュリティーに尋ねた記憶があります。それくらいバブリーで違和感のある存在でした。爆発の原因は今のところ不明ですが、そもそもこんなもの造ること自体かなり無理があったってことでしょう。亡くなった方、まさに乱開発の犠牲者です。ご冥福をお祈りいたします。
でもここ、女性専用施設だから自分勝手なこと言ってますけど、もし男性も利用できる健康ランドだったら今頃あの世だったかも。クワバラクワバラ!
以上取り急ぎご報告まで。

June 19, 2007 11:45 PM

漫画 マイ ブーム

五十も過ぎて漫画がマイブームってどうよ。しかも急に。医者行ったほうがいいんじゃない?
ご心配なく!医者にはしょっちゅう行ってます(笑)。
事の発端は、思い返せば去年ブレイクした「デトロイト・メタル・シティ」にハマり、漫画コーナーをうろついてその巨大な世界を垣間見てしまったことでした。
元々、その素養はありました。社会に出てからの三十年間ほどは雑事のあまりまったく漫画とは無縁の生活でしたが、小学生のころは小児喘息で学校も休みがち、心の支えはSF小説とプラモデルと、そして漫画だったのです。とりわけ漫画は、石森章太郎の名著「まんが家入門」を暗記するほどに読み込んで、竹ペンやら何やらいろんな画材道具を揃え、いざ書き始めるものの二ページ目で挫折、そんなことを繰り返していたものです。今にして思えば何の筋書き(プロットって言うんでしたっけ)も無いまま、取り敢えず書き始めちゃうんだから、当然即行き詰まってしまうわけです。それでもいつかはまんが家になれると思い込んでましたから、能天気というほかありません。

さて、最近面白かった漫画三題。
「ミツルギ」。お馴染みのJんKさんとこから出ている、お笑い学園モノシリーズ三巻。受験者の激減に悩む高校の生徒会長ミツルギちゃん(女性)率いるメンバー五人の、母校の人気挽回と活性化を目指しての抱腹絶倒の活躍を描いたコメディー。なんか爆笑問題風のボケとツッコミで、巻を追うごとにぐんぐん面白くなっていく感じでした。それにしてもこの絵の書き込みはすごい!細かすぎて何が描いてあるのか一瞬わからないところも(笑)。唯一不満は吹き出しの小さいほうの文字が小さすぎて、見えん!
「俺と悪魔のブルーズ」。これはブルース・ファンのあいだでは以前から話題の作品で、目下三巻。主人公RJのモデルは伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソン。戦前のミシシッピ・デルタを舞台に、人種差別が引き起こす様々な出来事をダークな色彩で描く、かなり怖い作品。内容もさることながら奇妙に歪んだ画風が、夜読んでるとマジちびるほど怖いです。ロバート・ジョンソンって右手の指が十本あったって、知ってました?因みにあとがきには、一巻永井ホトケ隆、二巻鮎川誠、三巻吾妻光良がそれぞれに気持ちのこもった素敵な文章を寄せています。まだのブルース・ファンはぜひ!
「BECK」。これも、もう少年マガジンで長年にわたって連載中の人気作品。中学生の主人公コユキがロック・ギタリストを目指しBECKなるバンドに加入、バンド活動を通じていろんな経験を積み成長していく様子をコミカルに描いた作品で、単行本は三十巻!まで出てます。今読んでるのは七巻目。先、長いな〜。音楽ネタだし、格闘技系や萌え系が絶妙に混じってて、軽くて読みやすく楽しいです。

う〜む、どうしたもんかなぁ。漫画、本気でハマっちゃうとほんとヤバい世界ですよねぇ、ほどほどにしとかないと。家に帰らずいま流行りの難民になって漫画喫茶に寝泊りしだしたりして。てか、国境がいっそ漫喫になっちゃったりして(笑)。漫喫を満喫!・・・・・・・・・・・・やっぱ帰ります(謝)。

June 19, 2007 01:56 AM

国境の南 三歳

この6月で、代官山から国境の南側に引っ越して3年が経ちました。ほんとうにおめでとうございます、って自分で言うな!冗談はともかく、これ偏に足繁くご来店くださった皆様や遠くから応援してくださった皆様のおかげ、あらためて厚く御礼申し上げます。
これまでは1周年、2周年とささやかなパーティを催して参りましたが、今年はやりませんので個別に何回も祝いに来てください(笑)。
かわりに、今月から8月にかけての3ヶ月間、これまでお世話になったミュージシャンやDJの皆さんによるイヴェントをほぼ毎週土曜日に催しますので、ぜひこの機会にアット・ホームな国境の週末をお楽しみいただければ幸いです(当HPイヴェント欄をご参照ください)。

8日の薩摩琵琶の後藤幸浩さんを皮切りに、14日はロイヤル・ハンチングス(注目のジプシー・スイング・バンド、フレイレフ・ジャンボリーのバンマス瀬戸信行さんのクラリネットと熊坂義人さんのコントラバスのユニット)による、何でもありの楽しい隙間音楽。((この日だけ木曜日です)
16日は元フラワー・トラヴェリン・バンドのギタリスト石間秀機さんの、シターラ(エレクトリック・シタール・ギター)によるファンクで幽玄な景音楽。
23日は常連FMさんチームによる70s/80sロックのDJイヴェント「CHANNEL 697」。
7月7日は元キャロルの内海利勝さんのヴォーカル/ギターによるブルース・ナイト。
14日は北中正和さん企画の、レゲエ・サルサ・アフロ・ビート・ジュジュ・リンガラ・ダンドゥットほかワールド・ミュージック前夜を探るレコード・コンサート。
21日はSSW山上剛さんのユニットによるロッキン・ライヴ。
28日はごぜ三味線月岡余祐紀子さんによるごぜ唄の世界。
8月4日はMW暑気払いプライヴェート・パーティ。
11日は長洲辰三さんのヴォーカル/ギターによるブルース・ナイト。

などなど、まだまだいろいろありますが取り敢えずこのへんで、お盆です(笑)。
店主の体力、持つのか?とかいろいろ懸念もありますが、頑張って梅雨空をぶっ飛ばしたいと思いますので、皆様のお越しをスタッフ一同(おらんだろ!)心よりお待ち申し上げております。

June 14, 2007 12:43 AM

HARD ROCK NIGHT

紅蓮の炎が六本木の夜を焦がす!地獄のハード・ロック・ナイト。国境馴染みのKちゃん、YのP、じょんふりちゃんたちが参加するイヴェントが行われたのは、六本木の老舗ハードロック系ライヴハウス「バウハウス」。ここは今回初めてお邪魔しましたがPAはじめ音響設備が爆音向きに整っていて、音が程よくクラクラする程度にバランスよく鳴り響いてました。やっぱりハード・ロックは音圧が肝、たまには轟音の海に沈むのもなかなかいいもんです。
オープニングは「LOVE 40」。70s/80sロックのカヴァーバンドですが、実はフロントのお二人、ロンドン公演を行い本家本元からお墨付きまで貰ったQUEENのトリビュート・バンド「KUEEN」の現役メンバー。達者なリズム・セクションを伴って安定感のある流石のプレイで会場を沸かせてました。途中エフェクタートラブルなんかもありましたが、それと感じさせない対応とかに舞台慣れしてるなぁ、場数踏んでるなぁと感心したり。今回は特にギター・シンセまで持ち出してカンサスの曲をカヴァー、この新機軸で今後ますますレパートリィーが広がっていくことでしょう。楽しみです。
そして場面一転、強面ておじさん達のバンド「つっぱりキッス」の登場で会場は黄色い声援からドス黒い声援へ(笑)。もはや演奏はもとより、ステージ・アクション、火まで噴いちゃったショーの構成、全体のスピード感などなど、カヴァー・バンドとしてはほぼ完成の域に達したのではと思わせる熱いステージでした。僕なんか年甲斐もなく最初からポツンとダンスフロアで薄く乗ってたのですが、途中からはTちゃん軍団や若いギャルが加わってノリノリ状態、めでたく黄色い声援が飛び交ったのでした。汗びっしょりになるまで踊ったところでアンコール。出ました!矢沢永吉((笑)。完璧です。久々に大笑いさせてもらいました。かくして百名を優に超える満員のお客さんの満足そうな笑顔が印象的な夜となりました。
短く総括します。楽しかった、面白かった、熱かった、そして腰が痛い(泣)。

June 12, 2007 08:15 PM

アートで候

一昨日の昼下がり、雨も上がり雲の間からさんさんと陽が降りそそぐなか、それこそ十数年ぶりかで上野公園まで出掛けて来ました。頭上を覆う緑のトンネルの下、水分をたっぷり含んだ葉っぱから立ち上る馥郁たる香りを胸いっぱいに吸い込むと、酒と煙でくすんだ体が一瞬にして浄化されて、なんだか偉くなったような気がします(錯覚)。
目的は上野の森美術館にて開催中の「会田誠・山口晃〜アートで候」展。余談ですが、この美術館は二十五年ほど前フジ・サンケイ・グループの箱根彫刻の森美術館と組んで「二十世紀世界の彫刻展」(だったかな?)を開催した想い出の場所。当然駆け出しの若造は裏方の下働き、あまりの懐かしさに思わず搬入口に向かってしまいました(笑)。
閑話休題。夜通しの仕事柄昼間はほとんど死んでるので、最近とんと美術にはご無沙汰。それも日本の現代美術ともなると、ここ十年ほどはムラカミタカシあたりの話題を漏れ聞く程度の、言わばド素人状態ですが、それだけに却って白紙の頭で楽しめるのではとの淡い期待を胸に、いざ会場へ。
結論(早っ)。ものすごく楽しめました。笑えました。感心しました。そして感動しました。どこがどう面白いのかと問われても「観てもらうしか術がありません」としか答えようがないくらいに、脈絡なくとっ散らかった会田作品と、脈絡だらけの山口作品。それらが渾然一体となって「これでいいのだ」と強烈なメッセージを突きつけてきます。彼らの作品をしいて音楽に喩えるとすれば、「秀徹なテクを逆手に取った和風パンク・ロック」って感じかな?このような「子供の心を持った職人」みたいな才能がいる限りは日本の現代美術も今後ますますハジけていきそうな気配を、確かに感じ取れた展覧会でした。
本展の情報をくれたGちゃん、ありがとう。十九日まで開催中です。ダ・ヴィンチ展とセットでいかが?

June 10, 2007 02:39 AM

ロドニー・クロウウエル

アメリカのSSWロドニー・クロウウエルが来日中との情報を常連Wさんから頂きました。昨日の日曜日、横須賀芸術劇場での「y’s カントリー・フェスタ」なるイヴェントに、これもナッシュヴィルの腕利きバンド、ザ・プレイヤーズとともに登場したそうです。四日、五日と六本木STB139(スイート・ベイジル)でもライヴを行う模様。いやぁ、まったく知りませんでした。今日明日の話なので残念ながら行けませんが、ご覧になったWさんによれば素晴らしいステージで感激したとのこと。SSWおよびカントリー・ロックのファンでご興味おありの方はぜひチェックしてみてください。
そうだ、ロドニーといえばアルバム「Ain't Living Long Like This」でエイモス・ギャレットと共演してたなぁ。いまこの時ふたりとも日本にいるなんて、なんかすごく不思議な感じがします。エイモスは確か今日が最終公演だから、ひょっとして五日STB139に飛び入り!なんて、無いか(笑)。でもでも、あったらすごいなぁ。世の中何が起こるかわかりませんからして。
以上取り急ぎ来日情報まで。

June 4, 2007 03:37 AM

CHIEFTAINS

なんか夜毎腹が減って十日間も日記が書けませんでした。って、そんな言い訳が社会人として通用するのか?いえ、しません。小学生じゃあるまいし。マジメに頑張ります。
一昨日は、目と鼻の先オーチャード・ホールでチーフタンズのジャパン・ツアーの初日。花金で辛いところでしたがじっとして居られず、貼り紙して一目散に三階席まで埋まった満席の会場へ。
’91年の初来日(細野晴臣プロデュースのイベント「東京ムラムラ」で、確かターラブの「イリアスのきらめく星」との対バン)から今回で九回目の日本公演だそうですが、僕はその初来日公演以来、実に十六年振りのチーフタンズでした。その十六年の間、傑作アルバム「アナザー・カントリー」でグラミーを獲ったり、ヴァン・モリスン、ローリング・ストーンズ、スティング、ライ・クーダー、ロジャー・ダルトリーはじめ数え切れないほどのトップ・ミュージシャンと共演したり、「ロング・ジャーニー・ホーム」などの上質なドキュメンタリー映像をプロデュースしたりと、まさに八面六臂の大活躍。十六年前わずか百人ほどのまえで楽しそうに演奏してたバンドが、おそらく今回日本全国で総計一万人を優に超える観客を魅了するバンドになっちゃったわけですね。
ただし長い年月の間、ピアノのひょうきんおじさんデレク・ベルが亡くなったりフィドルのマーティン・フェイが引退したりで、今回自分の知ってるメンバーはパディ・モローニ、マット・モローイ、ケヴィン・コネフの三人のみ。よって、初来日時のような陽気なパブ乗りのバンド・サウンド感は残念ながら希薄でしたが、そのかわりに、同じくアイリッシュ・トラッドの女の子五人組バンドや、和太鼓の林英哲や、奄美の歌姫元ちとせや、男女のアイリッシュ・ダンサーなどなど多彩なゲストを要所要所に絡めて、アイリッシュ・ミュージックの持つ伝統美とワールド・ミュージックとしての可能性とを、大きくパッケージ・ショー的に提示、これはこれで大変に楽しいライヴではありました。アイリッシュのトップ・バンドとしての、実績に裏打ちされた誇りのなせる業とでもいいましょうか、ダレる部分が全くない濃密な時空間を楽しめました。
バンドの演奏はもう言うまでもなく達人揃いで、各プレイヤー文句なしの演奏で魅了しますが、それに華を添えるアイリッシュ・タップ・ダンサー(男性二人、女性一人)が、もう悶絶級の凄さ!ここ数年チーフタンズがワールド・ツアーに出る際ずっと帯同してるダンサー・チームだけあって、ハンパじゃありません。一流どころには自然と一流どころが集まってくるんでしょうね。恐れ入りました。
「働けど働けど我が暮らし楽にならず、じっと手を見る」パターンで締めくくります。「タップ・ダンスに憧れ抱けど我が心踏み切れず、じっと通風でふくらんだ左足親指の付け根を見る」。短歌でも俳句でもないのに、この字余り感!なんかイラつきませんか?ではまた来週(逃)!

June 3, 2007 09:41 PM

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