ミュージックグラフィティ展
やっぱり時代の波に乗り遅れちゃマズイと一念発起、表参道ヒルズへ。えっ、東京ミッドタウンじゃないのって?ふつうは、そうだよね・・・。もう取り返しつかないくらい乗り遅れちゃってまんがな(笑)。いいんです、三歩さがって影を踏まず。一周遅れで時代の波をつつましく眺めて参りましょう(諦)。
安藤忠雄による建物は以外にこじんまりした印象。街の景観に威圧感を与えないために高層を避け地下に展開したのが奏功しているのでしょう。歩道と建物の間のわずか幅30pほどの浅い側溝を流れるせせらぎ(すごい精度!)をはじめ、そこここに控えめな工夫が見られて、さすがのセンス感じさせます。
そして本題。表参道ヒルズの地下3階にLPレコード2200枚を並べた展覧会。ロックが8割くらいかな?後はソウル、ジャズなどいろいろ、とにかくアナログ世代いらっしゃ〜いって感じ。ジャケット・デザイン重視なだけにマニア的な面白みは皆無(変なベスト盤なんかもいっぱい)ですが、まあここまで面だしで見せられると、なんか思い出が多すぎてお腹いっぱい、逆になにも残らない状態に陥りました。そのレイ・アウト、気持ちランダムをまとめてアット・ランダム(見たら言わんとすることお分かり頂けると思います)。A型の自分的にはちょっと気持ち悪いのですが、でもまあ何といっても31、3センチ四方に込められたアナログレコードジャケットのカラフルでヒップな存在感の前には、ただただひれ伏すしかありません。
本展、金沢工業大学のライブラリーセンター所蔵のコレクション(約20万枚)からセレクトしたものだそうです。初めて知りました、そんなとこあること。音楽評論家立川直樹氏の提案で15年前に発足、故福田一郎氏のコレクションを加えて飛躍的に充実したらしいです。レコード=記録という意味で言えば、それを体系的に残す試みは絶対に必要なこと、頑張って世界一のライブラリーにしてほしいものです。何で東京に無いかなぁ。そういえば北海道にもレコード館ってのがありますねぇ(謎)。
面陳2200枚で結構広いスペースの壁三面いっぱい、壮観です。でもふと自分に立ち返れば、今まで買ったり売ったり盗んだり(笑)したレコード、2200枚どころじゃないしなぁ。とか思うとなぜか急に虚しさが込み上げてきた、原宿表参道ゆれて青山通り(ロス・インディオス)、でした。わっかるかなぁ?
告知 1 本展は5月13日まで 表参道ヒルズB3F スペース 0 無料
告知 2 国境の南 GW 5月6日(日)だけ休み あとはふつう お待ちしております。
April 30, 2007 07:50 PM
JONI MITCHELL
ジョニ・ミッチェルのトリビュート・アルバム、やっと入荷です。もう7、8回はリピートかけて聴いてるかな。
そして感想。なんか微妙です。ほとんど歌マネ状態のk・d・ラング以外は、自分の世界でジョニの歌をうまく表現しようと試みますが、やっぱ一筋縄ではいかないってこと分りましたって感じ?オリジナルを凌駕することは土台無理ってこと分りましたって感じ?でも大好きだから、とりあえず歌いましたって感じ?
のっけから意表を突くアレンジの「Free Man In Paris」で始まるものの、続くビョーク、カエターノ、メルドウ、カサンドラまでの流れがどうにもチグハグで、落ち着きません。しかし6曲目プリンス(既発音源ながら最高!)あたりから微妙に空気が変わり、ラストのジェームス・テイラーまではかなり濃密な空気が漂います。解釈が深いって感じがしますね。したがって、後半いっきに入り込めます。
ただし後半10曲目にエルビス・コステロが登場、これがまた微妙に雰囲気壊します(笑)。ほんとどこにも出てきますねぇ、この人。そんなにいいですか?この思わせぶりたっぷりな鼻声が・・・。僕はどうにも鼻についてしかたありません。そのうちトリビュートされたいんだよ、きっと。
まあ、そんな感じなので全体的に微妙感が漂うわけですが、ジョニの難曲にして名曲の数々に果敢に挑んだ各ミュージシャン(コステロ以外)には、心から拍手を送りたいと思います。とりわけエミルー・ハリスの可憐な歌声には、心洗われました。
最高峰の女性SSWジョニのついでに、最高峰の男性SSWランディ・ニューマンの話題を。
大阪のJackie(国境の名誉DJ)のサイトでランディが新曲を発表して、それを弾き語っている映像がYOUTUBEにアップされてることを知り、さっそく観てみました。ピアノを前に、語るように歌い歌うように語るその姿に、痛く感動しました。相変わらずかなり過激な歌詞です。痛烈なアメリカ政府批判、欧州のアフリカ支配などを、ローマ帝国の衰退になぞらえて描いています。なんかうまく言えませんが、僕にとってはシンガーそしてソング・ライターの、極致です。アメリカン・ポピュラー・ミュージックの最後の、砦です。
YOUTUBE 「RANDY NEWMAN]で検索するとトップにでる「A FEW WORDS IN DEFENCE OF OUR COUNTRY」です。ご興味の向きは是非ご覧ください。
April 29, 2007 03:26 AM
ビルボード・ライヴ
先月オープンした六本木トーキョー・ミッド・タウンにライヴ・ハウスが出来るという話は随分前から噂になってましたが、やっと全貌があきらかになりました。運営はあのビルボード。初日本進出で東京、大阪、福岡の三店での展開ということは、ブルー・ノートの柳の下のナントカ、が狙いなんでしょうか。以下アナウンスされているライン・ナップを一応書いておきます。
8月18ー24日 スティーリー・ダン (グランド・オープン)
8月25ー29日 ジル・スコット
8月30ー9月4日 ジョー&アルジェブラ
9月10ー12日 アレクサンダー・ウィズ
10月11ー13日 エア・サプライ
10月15ー20日 ベイビー・フェイス
11月05ー07日 エイメリー
正直言ってこの中で僕が知ってるのはスティーリー・ダン、エア・サプライ、ベイビー・フェイスだけです。しかも、どれも興味ありません。なんか酷く寒いです。入場料金見ると、寒いを通り越して凍ってしまいます。スティーリー・ダン、2万3千ー1万9千円、ベイビー・フェイス、1万6千ー1万4千円、エア・サプライ、1万1千ー9千円。ほかも、ほとんど1万円オーバーとなっています。
それにしても、東京都心・大人・オシャレ=スティーリー・ダン、というベタな発想は、情けなくもまあ許せる範囲としても、この値段はいったいなんですか?ついにディナー・ショーの仲間入りですか?
初期5枚くらいは愛聴盤だっただけに誠に残念ではありますが、本日を持ってスティーリー・ダンとはお別れです。
ベイビー・フェイス然り、1万6千円のタマですかねぇ。エア・サプライみたいな腑抜けのバンドに1万1千円出していくヤツの顔が見てみたいです(客でいたらどうしよう 汗)。
この箱のHPのスティーリーの紹介文に、「全音楽ファン必見!」って書いてあります。こういうことを言う勘違いしたクズが、音楽を一番求めている層から音楽を一番遠いところに遠ざけていってるのでしょう。
世の中には十分の一ほどのフィーでも何倍も感動できるライヴいっぱいあります。ビルボードとか終わってるもん相手にせず、楽しい音楽生活を送りましょう!
April 26, 2007 01:23 AM
日記
今回は意表を突いて日記風に書いてみましょう。てか、ここってもともと日記(DIARY)って書いてあるじゃん!今までやることやってないってことですよ。いきなり出鼻くじかれました、もとい自分でくじきました。でも記念に頑張って書いてみます。たぶん、きっと続かないと思います。今日だけでしょう。
4月16日 前に書いた通りクワトロでトニ・ジョウのライヴを観たあと開店。その流れで見えたWさんご一行と、余韻に浸りつつ盛り上がりました。いいライヴの後ってみんな良い顔してますね。カウンターの内から見てるとよーく分ります。
4月17日 いよいよ完成した「世界は音楽でできている」(音楽出版社刊)を拾い読み。北中正和さん監修のもと、二分冊計400ページでワールド・ミュージックの現在を網羅した好著。どこからでも入り込める、そしてどこにも出口のない、まさしく音楽の迷路。
4月18日 お馴染みS&KおよびF&Dのライヴを観に池尻チャドへ。今回は新たにギタリストSさんとパーカスYUさんが加わって、今までとはまた一味違った内容で満員の客席を楽しませてくれました。マジ酒が進みました。レベル・アップおめでとう!って感じ。
4月19日 そのS&KのKくんが、来る5月のライヴに向けて共演予定のギタリストSさんと当店でバンド会議。お二人とも5時間以上もギター抱えっぱなし。ほんと少年の顔でした。でもギター置いたらタダのおじさんでした。
4月20日 お馴染みFB/DJさん主催のDJパーティ「春の会 2007」開催。いつものように満員御礼で、北中さんの本のお祝いも兼ねてユルく熱く盛り上がりました。執筆されたライターの皆さんも集まって、それぞれに話の輪が出来ていました。国境冥利に尽きる?イベントです。ありがとうございました。
4月21日 常連さんと普通飲み。調子に乗りすぎて明け方転倒、左側頭部と右肩を打撲(どのような転倒の仕方かは不明)。おかげで頭は少しバカが直ったものの、右肩は今も激痛状態。一応反省はするものの、またどうせそのうちとの思いも・・・。反省と諦念の同期、これぞ中年の証です。
4月22日 久しぶりにアルトサックスのHちゃん来店。仲良しのFさんも加わって大マイケル・ジャクソン大会。ヴォリューム上げるとダンス・フロアと化したのでした。マイケルって初期から通して聴くと、ほんとブラック・ミュージック・サウンド変遷のサンプラーみたいなもんなんですね。表のね。人気を得たのもわかるし、同時に飽きられたのもわかる。幸せなのか不幸せなのかわからない、不思議なミュージシャンです。
4月23日 久々に普通の感じ。常連のみなさんとつつがなく。
4月24日 ハワイアン・ギターの山内雄喜さんご来店。久しぶりにアラニ・トークを満喫。終電過ぎまで爆盛り上がりでした。それにしても師匠は若い!謎です。
という訳ですが、やっぱ毎日の日記は無理です。なんとなれば、これはDAILYじゃなくてDIARYだから。おいおっさん、とうとう英語でダジャレかい!
April 25, 2007 03:07 AM
TONY JOE WHITE
前の日記にも書いた通り、最近いまいちテンション上がらないのでパスしようかとも思ったのですが、近いし雨だし月曜だし、ってことでやっぱり行ってきました、トニー・ジョー・ホワイト。
正直始まる前までは、良いのは良いだろうけど何というか全てが想定内のちょっぴり退屈なライヴ、みたいなものになるのではと想像しておりました。最近のライヴ映像とか見ていただけに、余計にそう思っていたのです。
結論。そうした心配は全て杞憂に終わりました。一言で言えばカッコ良すぎです。鳥肌モノです。とりわけあのギター!実際何度か鳥肌立ったくらいにファンクでパンクでグルーヴィでブルージィな音がストラトキャスターから次々と紡ぎ出されて、クワトロのフロアをドロドロの湿地帯に一変させてしまいました。バックはドラムスのみ。なのにノリはもうバンドそのもので、リズムが絡み合ってイッちゃう時のグルーヴ感には、ちょっと抗いがたいものがありました。まさにワン・アンド・オンリー。
幕開け、ライトが交錯する中BGMでスペイシーなギターサウンドが。え?何このオープニング?最近一緒にツアーしてるピンク・フロイドの影響?(笑)とか思って一瞬引きましたが、即御大の登場。聞き慣れたトニ・ジョウ流ブルースでつつがなくスタート。三曲目からドラムスが加わってよりファンキーに、途中六曲目に超名曲「レイニーナイト・イン・ジョージア」を持ってきて客を泣かせ、主に昨年出たアルバムの曲を中心に、クリーン・トーン、ディストーション、ワウワウを織り交ぜたガチンコ・ギターで場を盛り上げていきます。そして本編ラストに「ポーク・サラダ・アニー」ですよ。客席が一段と盛り上がった瞬間でした。止まぬ拍手の中再登場、気さくにリクエストに応えつつアンコール五曲。こうして暖かい雰囲気の中、トニ・ジョウ二十六年振りの東京公演はめでたく大盛況のうちにお開きと相成りました。
当初関係筋からは客入りを心配する声も聞かれましたが、フタを開けてみれば大入り満員の全部乗せ替え玉状態(笑)。難しい講釈オヤジばかりかと思いきや以外に若い人も多く、ほんとうに熱心に聴き入っていました。彼らの心の中でこうしたヴェテランが培ってきた音楽が脈々と受け継がれていくとしたら、まだまだロックもこの先面白い展開があるのではないでしょうか。
トニーさん、次の来日は二十六年後とかじゃないでしょうね。今日来た客の半分は死んでますから。あ、それよりもご本人が・・・・・。いや、きっと生きてるな、しぶとそうだし(笑)。
April 17, 2007 12:39 AM
JORMA KAUKONEN
のっけからナンですが、どうも最近気力が減退気味です。音楽を聴くと言うより流れてるのを感じてるだけ、映画を観ると言うより映ってるのを眺めてるだけ、みたいな。これってもしかして更年期障害とかいうヤツ、ですか?それとも鬱病?鬱といえば、先日うちのカミさんが医者行ったら鬱病と診断されたと、勝ち誇ったように薬飲んでました。カミさんの場合、医者に言われたというより、医者に言わせた感は否めませんが、そんなこと面と向かってホザこうもんなら、即たたみいわしです(怖)。
で、ヨーマ・コウコネンの新譜「STARS IN MY CROWN」。FIレーサーではありません(笑)。アメリカ西海岸で60年代にその名を轟かせたスーパーバンド、ジェファースン・エアプレインのギタリスト。脱退後もホット・ツナを経て現在に至るまで、ずっとアメリカのルーツ音楽を追い求めている、御歳66歳の超ヒップなおじさんです。
この人、たとえばライ・クーダーやエイモス・ギャレットやトニー・ジョー・ホワイトやJ・J・ケールあたりと比べると全然知名度は落ちますが、歌といい演奏といい、その音楽性は先に挙げた連中よりもむしろ優れてるような気もします。とにかく自然体でまったく衒いがない、狙いがない、おまけに迷いがない。よって、聴いてるだけで素で癒されるって感じ。
すなわち、気力減退で弱った心に優しく忍び寄って癒してくれる、そんな音楽ということです。やっと繋がった(汗)。
昔の名前で出ています的な売り方が難しいくらいに昔の名前が霞んでしまったミュージシャンの、それでも自分には音楽しかないという静かな意志がそこここに垣間見える、アコースティックな空気感溢れる傑作だと思います。クラプトンより百倍渋い!(地雷とか、踏みまくったるわい!)
とかいっても、う〜ん、なんか今日はまとまんないなぁ。すみません、帰って寝ます(詫)。
April 13, 2007 08:11 PM
チュラマナ
5月23日。暖かい春の風が新緑の木々を揺らし、あたりに初夏の気配が漂いはじめる頃に、チュラマナ待望の2ndアルバムがリリースされます。
「チュラマナ」とは、内面の美しさを表す沖縄の言葉「美ゅら」と、万物に宿る魂を表すハワイの言葉「マナ」とを合わせた、文字通りハワイと沖縄それぞれの音楽フィールドで活躍してきた素敵なミュージシャンたちによるユニットの名前。昨年6月に1stアルバム「ふたつの楽園」をリリース以来、その斬新な音楽性と地道な演奏活動により、各方面からおおいに注目を浴びる存在となりました。
そして待ちに待った新作。マスタリングを終えたばかりの音源を試聴させて頂いたのですが、今回は前作に感じられたゆったりとしたスケール感はそのままに、ストリングスやパーカッションなどの音が要所要所にちりばめられて、より多彩な、よりポップなチュラマナ・ワールドが繰り広げられています。
もちろんフロントはふたりの歌姫、ハワイアン・ベースのシンガー上原まきちゃんと沖縄ベースのシンガー宮良牧子ちゃん。個性的かつどこまでも透き通った暖かい歌声が、時にソロで、時に絡み合って、聴く者をあっという間にふたつの「楽園」へと運んでくれます。
海を渡る風のようなふたりの歌声を支える演奏がまた素晴らしい。ハワイアン・ギターの名手山内雄喜さんがスラッキー・ギター、ウクレレ、リゾネイター・ギターなどでこれ以上ないほどの美しい音を奏でれば、個性的な三線プレイヤーのゲレン大嶋さんはそれを受けて、シンプルかつ絶妙なメロディーを紡いでいきます。松永孝義さんのベースは、それらすべての要。太く、暖かく、的確なプレイでチュラマナ・サウンドをおおきく包み込みます。
それにしても、この作品に感じられる自然な一体感はいったいどこから生まれてくるのでしょうか。成熟したミュージシャンのみが醸し出せる業、確かにそれはそうでしょう。でも、どうもそれだけではなさそうな気が。実は以前から気になっていたことがあります。チュラマナはこれまでハワイや沖縄の名曲をたくさんカヴァーして来ました。新作でも「アロハ・オエ」や「花」や「安里屋ユンタ」など超のつく名曲のカヴァーがありますが、ふたりの歌姫は、あえてそれぞれ自分のフィールドではない曲を歌おうとします。単純に考えれば、自分の得意分野で歌えばいいものを、そうはしない。その部分にぼくはこのユニットの持つ、互いの音楽文化に対する双方向の強いリスペクトの姿勢を感じます。もっと言えば、他国の音楽文化をリスペクトしつつそこから全く新しい感性を持つ音楽を創造する、正しくワールド・ミュージック的な姿勢を感じるのです。そしてそうしたメンバーみんなの姿勢こそが、このユニットの自然な一体感を底辺から支えているのではないでしょうか。
海をオレンジ色に染めて日が昇り、青い海と空のあいだを鳥たちが舞い、そこに突然のスコール。雨を連れて日が沈み、やがて空には満天の星。そんな自然の移ろいにも似たチュラマナの音の世界。今年の夏はこれでキマり、です。
April 8, 2007 12:38 AM