January 2007>>
BYE-BYE 2006
いよいよ今年も今日を入れてあと三日となりました。当店は明日30日まで営業いたしますが、最終日は何かと忙しいので、本日をもって今年のダイアリー最終章とさせていただきます。
一年を振り返ると、店的には相も変わらず満員御礼あり、ゼロありの大波小波の連続で、終わってみればほぼ昨年と同じ。鳴かず飛ばずとも言えるし、安定期とも言えるし、正直どう捉えればいいのかわかりませんが、まあ現状把握としては「安値安定」って感じでしょうか(笑)
詳しく分析したわけではありませんが、感じとしてはグループでのご利用が減った分、個人の常連さんは確実に増えてきた気がしてます。どんな商売もそうでしょうが、とりわけバーなんて酒屋で普通に売ってるものを出すだけ。なのでいわゆる付加価値ってものの勝負になるわけですが、そのあたりを評価してリピートしてくださるお客さんが少しずつでも増えるのは、何よりも有り難いことです。
もちろん、それやこれやを土台から支えてくれてるのは、ポレポレ時代からの、そして国境スタートの頃からの超常連の皆さん、ならびにライヴやイベントに快くご出演いただき場を盛り上げてくださったミュージシャンやDJの皆さんです。ほんとうに感謝感謝の気持ちでいっぱいです。
世の中的には、新聞の紙面に踊る景気回復の文字とは裏腹に、巷に吹く風の冷たさもむしろいや増してる感じすらありますが、グチってても道は開けません。
来年は今までにも増して、まだ見ぬ新しい音楽を探して、見逃していた音楽を掘って、面白い企画を組んで、付加価値満載?で皆様のお越しをお待ちしようと思っております。
ほんとうに今年一年有り難うございました。どうぞ良いお年をお迎えください。そして、来年も引き続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
なお、新年は一月三日からスタートします。独身貴族の皆様、お待ちしてます!
国境の南 羽田野純夫
December 29, 2006 07:37 PM
JAMES BROWN
先程学生時代からの友人から電話、ジェームス・ブラウンが亡くなったことを知らされました。享年七十三歳、死因は一応肺炎ということだそうです。
僕自身、JBのレコードを初めて買ったのは比較的遅く、確か社会に出てからすぐの頃だったと思います。あの有名な、階段に足を掛け顔をトリミングでカットされた女性のジャケット、1959年のデヴューアルバム「PLEASE PLEASE PLEASE」でした。以来、当時キングレーベルの諸作のリイシューもあって、初期から順にコレクトしていったものの、この人もザッパ同様リリース数が半端じゃありません、いつしか追いつかなくなってしまいました。
それでも、ライヴに足を運んだり、フェラ・クティへの影響うんぬんといった話題に接したり、ラッパーに盛んにサンプリングされたり、何かと話題になるにつけレコード引っ張り出しては聴いたりしてきた訳ですが、特にワールド系に嵌まりだしてからは、JBが世界各地で生まれてくる新しい音楽へ与えた影響の大きさに気づくことも多く、その偉大さはソウル/ファンクの世界だけにとどまらない、もっともっとワールドワイドなものだと知るようになりました。
15年ほど前、パリのオランピア劇場でのライヴを収めた、ブーツィ・コリンズを含む最強メンツによる未発表音源がリリースされましたが、そのタイトルが[LOVE POWER PEACE」。いま、それを聴きながらコレ書いてますが、私生活では何かと問題の多かったJBでも、こと音楽に関しては世界中の数え切れないほどの音楽ファンに向けて、確かにLOVEとPOWERとPEACEとを届けてくれたと、そう思います。
ひとに踊りたいという衝動がある限り、JBが残した音の魂は永遠に不滅です。合掌。
December 25, 2006 09:33 PM
クリスマス・イヴ
ただいまクリスマス・イヴの夜23時過ぎ。街は喧騒に溢れてるのでしょうが、国境は来客ゼロ!常々、イヴに誰もいない店なんて、あったら見てみたいもんだ、などと高飛車なこと思ってたら、ウチでした(泣)。
文字通り「ひとりぼっちのクリスマス・イヴ」。かわいそ過ぎます。いつ以来かなあ?確か15年ほど前、仕事で滞在中のローマのホテルで日がな一日中ローマ法皇の説教をテレビで眺めてたことがありましたが、たぶんそれ以来です。来年はロウソク燈して鳥の丸焼きでも出すか。
てなわけで、暇にかこつけて今年よくターンテーブルに乗ったレコードを整理がてら聴いてる次第です。振り返ってみると、今年は新旧ロック系、それもギタリストのレコードを一番聴いてきた気がします。もともとギターメインのロックは大好きでしたが、デレク・トラックスで火が付いたんでしょうか、サニー・ランドレスやボニー・レイットのコレクト漏れを集めたり、ザッパに燃えたり、トニジョウに浸ったり、ジョージに泣いたり、いろいろありました。
そしてトドメは、やっぱりジョン・メイヤー。アルバム全部聴いても聴き足りないし、「CONTINUUM」に到ってはもう百回は回ってるかな、オートリピートで(笑)。遅ればせながらもDVD[ANY GIVEN THURSDAY」を見て、一生ついて行くことに決めました。11月の来日公演を見逃したのが、返す返すも残念でなりません。因みに自分的には、歌心溢れるヴォーカルを聞かせながら変幻自在にギターを操る点で、例えばニルス・ロフグレンやサニー・ランドレスやリチャード・トンプソンあたりと、同一ファイルの中のひとりです。
来年のイヴには、さてどんな日記を書いていることか。おっと違うぞ、忙しくて日記書く暇がない状況を切に願っています。
December 24, 2006 11:41 PM
FB/DJ PARTY
昨夜はFB/DJさん主催の、ワールドミュージックファンの一年を締めくくる「今年の一曲」パーティ。七時から三時までほぼ満席状態で、かといって混み過ぎで混乱するほどでもなく、まさにこれ以上ないベストの入りで、きっと参加いただいた皆さんも楽しい時間を過ごしていただけたのではないでしょうか。
八時間って普通かなりの長丁場ですが、北中正和さんとFB/DJさんの軽妙な進行でもって、皆さんの今年の一曲を興味深いコメント付きで紹介していくというスタイルで、ほんとあっという間に時間が過ぎていった感じでした。
今年ワールド系は全体に不作という声もありますが、ワールドミュージックバーとか言っときながら普段から不勉強の自分としては、皆さんのこの一曲、どれも興味深く楽しませていただきました。得した気分です(笑)。
ことライヴに関しては、夏のアフリカ系や秋のアラブ系をはじめ、結構充実した年だったのではないかと思いますが、会場には松山晋也さん、原田尊志さん、カンバセーションの皆さんもお見えになり、もちろん北中さん、FB/DJさんを含めて日本のワールドミュージックシーンを動かしてきた方々だけに、きっと来年もまだ見ぬ面白い音楽をたくさん紹介してくれることと思います。ちらほら情報も飛び交ってましたしね。
まさに猫の額ほどのスペースでしかない国境の南ですが、このようなイベントに使っていただけるのはほんとうに有難いことです。来年もぜひいろいろな趣向で楽しいイベントをお待ちしています。今回参加いただいた皆さん、有難うございました。
「小さな針の穴から世界が覗ける」、そんな場に出来たら死んでもいいです。ウソです。
December 23, 2006 11:35 PM
風邪の季節
昨日の朝、イベントもひと段落して気が緩んだのか電車でうたた寝、例によって気が付けば終着駅という王道パターン。慌てて取って返すもその頃から次第にのどが痛み出し、こりゃヤバイぞ状態とあいなりました。
そこで自分流風邪対症法を実行。って、そんな大層なもんじぁあありませんが。まず、イソジンの水割り?をつくり三分の二でうがい、残りを飲む(笑)。内臓まで消毒するワケです。きっと胃には悪いでしょうが気持ち的には、勝ちです。そのうえで健康ランドに直行、サウナでそれこそ倒れるまで汗を流します。腰湯とか足湯なんていう半端なもんじゃあ、戦さには勝てません(なんか勘違いしてるな、コイツ)。そして速攻帰って卵を溶かした熱燗をあおって、ついでにもうちょっと飲んで(笑)、ひたすら寝る。
夕方起きたら、残念ながら頭はやっぱりモヤモヤしてスッキリとはいきませんが、それが風邪のせいなのか酒のせいなのか分らない程度。ノドも普通の感じで、なんとか助かりました。でもこれって、例えばノロウィルスやインフルエンザだったらそうは問屋が卸さないだろうから、とどのつまりただの飲みすぎ吸いすぎだったってことなんでしょうね。
ということは、これから本当の風邪?をひく可能性あるってことなわけで、毎日イソジン飲んで?気をつけるとしましょう。ウチの娘も三日ほど寝込んでましたし、当店の常連さんでも何人かいらっしゃいますが、くれぐれもお大事になさってください。そしてまだの方はくれぐれもご用心のほどお願いしときます。
December 19, 2006 04:21 AM
イベント・ラッシュ
ふう、って感じです。14日から4夜続いたイベントが、いまつつがなく終了しました。DEMPAHOLIC DJ NIGHT/後藤幸浩琵琶ライヴ/針と糸ブルースライヴ/JACKIE DJ NIGHT。いずれもジャンル、客層まったく違う催しでしたが、どの日もほぼ満杯の状態、普段閑古鳥が飛びまくっている国境の南らしくない、経営者変わったの?って感じの日々ではありました。出演者の皆さん、来てくれた皆さん、ほんとうにありがとうございました。
加えて、先の日記でも触れたアイリッシュのチームが連夜来店、深夜帯はさながらアイリッシュパブ状態と化し、もちろん有難いことではありますが英語が苦手の僕としては緊張と疲れとで、いまグロッキーを絵に描いたような顔してます。
ということで、いまそれぞれのイベントについてコメントする気力がありません(ごめんなさい)が、どれもお客さんが心底楽しんでくれていたことだけは、肌で感じました。また来年も、それぞれに続けていってもらいたいと思っています。
そして今年もあと二週間。22日にはお馴染みFB/DJさん主催のワールドミュージック系納会「今年の一曲」があります。恐らくそうとうの入りが予想され、ちょっと恐れおののいてはおりますが、粗相の無きよう頑張って対応させていただく積りですので、お気軽に遊びに来ていただければ幸いです。
さて、今日は帰って近所の健康ランド「湯煙りの里」で湯船につかりマッサージでもしてもらって、身も心もリセット&チャージしてこよう!ジジくさっ!
December 18, 2006 04:07 AM
PAUL BRADY
ちょっと前になりますが11日の深夜、プランクトン主催の「ケルティック・クリスマス」で来日中のアイリッシュミュージシャンたちが十数名、例によって突然来店。以前のアサイラムストリートスパンカーズみたいに演奏は無しでしたが、たまたま流してたビートルズ[LOVE」に反応して楽しげに歌ったりしていました。
その中にポール・ブレディの顔を発見。結構好きなミュージシャンだけに、ちょっと感無量でした。最近はロック寄りの活動が主体となっていますが、僕が初めて名前を知ったのは伝説のバンド「プランクシティ」のメンバーとして。以来、アイリッシュのコンピなどに必ずといっていいほど顔を出す人として、あるいはボニーレイットなどが敬愛し何曲もカヴァーする人として、それらの曲を単発的に聴いてきただけの初心者ファンではありますが、この人ほんといい曲を作ります。アイルランド最高のシンガーソングライターにして屈指のギタリストのひとり、と言われていますが、クラプトン、U2、マークノップラー、ボニーレイット、チーフタンズからサンタナにまでリスペクトされてきた経緯を見れば、それもむべなるかなと思いますね。
その人が目の前で赤い顔してビール飲んでるワケです。近くで見るとタダのおじさんですが、その気さくな感じがきっと彼の名曲の数々のなかに、温かさとなって溶け込んでいるのかもしれません。
残念ながら、今回のライヴは都合つかず行けませんでしたが、次回は絶対に行くぞ、と心に誓った夜でした。
December 15, 2006 03:42 AM
Sちゃんライヴ
13日はSちゃん、Fさんの今年最後のライヴを見に池尻大橋のCHADへ。
Sちゃんは、ここのところ毎回趣向を変えたステージを続けてますが、今回はシンプルなギターとのデュオで、いわば原点回帰的な姿勢のものでした。上田正樹&有山じゅんじ「ぼちぼち行こか」の東北版、って感じですか。腸炎で弱っているギターのK君をイジリながら、あまり気張らずノンビリした感じで歌ってました。力勝負になると異常なまでのテンションを発揮する彼ですが、力を抜いた歌い方でもやっぱり非凡なものを感じさせます。基本的なところがしっかり出来てるってことなんでしょうね。このパターンなら、ラフな腸炎ギター(笑)もかえって味として成り立ってましたよ。バンドだとそうはいかないもんね。
続いて、というかSちゃんのステージ前半後半の真ん中にFさん登場、同じく腸炎ギターK君(くどくてごめん)とのデュオで一曲、プラスゲストヴォーカルDちゃんを迎えて一曲、そしてソロの弾き語りで一曲を熱唱。
まずはお馴染みボニーレイットのブルース。ずっと歌い続けてきただけに、より安定感が増しフェイクなんかも板についてきた感じです。声質からか、一瞬マリアマルダーがボニーをカヴァーしたらこんな感じかな、と思ったりしました。二曲目は「ユーガッタフレンド」をDちゃんとのデュエットで。ふたりとも声のなかに明るさが宿っている点が共通してるので、すごく自然なハーモニーが生まれていました。客に合唱させちゃうなんて、Fさん掴みまで覚えちゃったんですね。そして白眉は彼女のオリジナル「冬空」。これほんと名曲だと思います。最初内省的歌詞が続きますが、中ほどでハイウェイが現れ車に積んだギターが見えるところで、冬空の下の広大なシーンへと一気に持っていかれてしまいます。いろいろアレンジしてみたくもなる曲ですが、でも弾き語りが一番感動的なのかな、とも思いました。とにもかくにも素敵なステージでした。
後半はふたたびSちゃんで、徐々に盛り上げつつ、最後はここ掘れ、掘れ、掘れでフィナーレ。全体的には、熱さとか激しさとは真逆の、一言で言えといわれれば「いい感じ」のライヴとなりました。
終わって外に出れば雨上がりの夜空、なんか清清しい気持ちで店へと帰りました。
December 15, 2006 12:58 AM
シターラ・ナイト
9日に石間秀機さんによるシターラのソロ・ライヴを行いました。シターラとは、石間さんが独自に考案し職人さんと長い時間をかけて完成させた、ギタースタイルのエレクトリック・シタールの名前ですが、ゆえにこの楽器を弾きこなせるのは、目下世界で石間さんただ一人ということになります。
ライヴは、それぞれ5、6分のバック・トラックを順次流して、それに対しアドリブでプレイしていくスタイルです。インド的なフレーズとロック的なそれとが微妙に交錯する幽玄なる音の世界は、本当に世界でひとつだけのオリジナリティを感じさせます。このパターンのものを、石間さんは「景音楽」と呼んでますが、まさに言い得て妙。遠くに風景が見えるような気がしてきます。音の世界、というよりも音の天地と言ったほうがニュアンス近いかもしれませんね。
来年からは年数回、定期的にライヴをお願いすることになりましたので、ぜひどこかの機会で一度ご覧戴ければと思います。
お客さんが引けた後、石間さんと差しで、音楽のこと政治のこと教育のことなどなど、積もる話で「多事争論」状態(笑)。気が付けば夜が明けてました。
石間さん、いらして頂いた皆さん、ありがとうございました。
December 13, 2006 04:34 AM
JOHN LENNON
昨夜はジョン・レノンの命日。何曜日だろうと、なぜかこの日は毎年超忙しい。誕生日が一緒という、ものすごく単純な親近感でもって、自分にとってジョンは「特別の人」でありますが、同時に福の神でもあるのかな。
と言っといてナンですが、昨日は一曲もジョンの曲を流しませんでした。生来のヘソ曲がりの面目躍如です。なんか、命日だから騒ぐみたいなパターン化された偲び方に抵抗があるんでしょうね。好きなんだったら普段から偲べよ、みたいな。代わりに一番かけたのは、やっぱり同じジョンでもジョン・メイヤー。まだ20代のこの若造に、その歌心や偉大な先達へのリスペクトの仕方の面で、ジョンと同質のロック・スピリットを感じたりします。
ここしばらく、プライベートなことでかなりダウンな日々が続いてますが、明けない夜はない!年末決戦?に向けて頑張るとしましょう。
追記:RちゃんIちゃん、ボロシス・クリスマスライヴ頑張ってね!
December 9, 2006 11:56 AM
SHEENA&THE ROKKETS
ご近所のブルースバー「テラプレイン」主催のイベント、[ROCK’N ROLL CATALYST」を聴きにクラブ・エイジアへ。
オープニングアクトは、元バンド仲間のフリちゃんがギター/ヴォーカルの「LOVE 40」。一曲目のフェイセス「ステイ・ウィズ・ミー」で掴みはバッチリ、ドゥービー、エアロ、ボン・ジョビなどクラシック・ロックをかっこよくキメて女性群の黄色い声援を山ほど浴びていました。これだけ若々しくて上手くてモテるんだったら、バンド名の40はいらないのでは?(笑) ちょっぴり羨ましかったです。
続いて真打ち「SHEENA&THE ROKKETS」の登場。彼らのライヴを見るのは三回目になりますが、やっぱり何度見ても最高ですね!このライヴの高揚感は、とても僕の拙い文章力では表現出来ないので、やめときます。音圧とノリ、ロックにあって最もプリミティヴな要素を武器に、会場を自在に熱く盛り上げていく様は、今回もまさに圧巻の一言でした。メンタイ・ロックは永遠です!
こういうライヴに接すると、自分はずっとロックを聴いてきてほんと良かったと、心底そう思います。こんなイカしたイベントを企画した「テラプレイン」の宍戸マスターに感謝感謝です。なんの力にもなれてないのに、MCで国境の宣伝までしてくれて、ほんとうに恐縮至極です。またなにかオモロいこと一緒にやれたらいいですね。
December 8, 2006 03:24 AM
JOHN MAYER
2006年もいよいよ年の瀬。とはいえ、8日のジョン・レノン、10日のオーティス・レディングの命日に因んでそのあたりの音楽を流す頃は、例年まだ嵐の前の静けさ状態で、比較的のんびりした日々が続きます。そんな折、いまいち盛り上がらない心にそっと忍び込むような素敵なアルバムに出会えました。
JOHNN・MAYERの「CONTINUUM」。ひと月ほど前から店頭に並んでいたのですが、文字だけのシンプルな、らしくないジャケットのため、すっかり見落としてしまってました。遅ればせながらここ数日、リピートかけてずーっと聴き続けているのですが、いまや完全にその静謐でソウルフルな歌声の虜になってしまいました。
たったの4,5年でロック界の最重要ミュージシャンのひとりとしてスターダムを登りつめた彼ですが、この新作では、先人達が築いた豊かな音楽的遺産を自らの音楽に巧みに昇華させ、まだ若いのにもはやヴェテランのコクみたいなものまでをも感じさせる仕上がりになっています。曲がまたほんとに粒ぞろいなんだなあ。いまも聴きながらこれ書いてますが、つい耳が歌にいって手が止まってしまう始末。
そしてギタリストとしての才能。これはほんと凄いとしか言いようがありません。けっして、例えばデレク・トラックスのような超絶テクで持っていくタイプではありませんが、味のあるフレーズといい艶のある音色といいツボにくるタイム感といい、まさに渋カッコイイの極致。この人、デヴューアルバムのボーナストラックでジミヘンとスティーヴィー・レイ・ヴォーンをカヴァーしてましたが、もうカヴァーとかコピーとかいうレベルを遥かに超えた自分のスタイルを確立しちゃってます。末恐ろしい!
また、贅肉を極限までそぎ落としたかのような、シンプルかつ強力なバックバンドが最高。いまクラプトンと来日中のスティーヴ・ジョーダンと、ザ・フーおよびジェフ・ベックのベーシスト、ピノ・パラディーノとのトリオを核に、曲によってベン・ハーパーやらウィリー・ウィークスやらロイ・ハーグローヴやら一流どころが脇を固めます。そういえばこのメンツでのライヴ盤[TRY」も強烈だったなあ。まさにプロ中のプロの仕事、といったところでしょうか。
とにもかくにも、木枯らしの吹く寒い夜に焚き火にあたっているような、気持ちまで温かくなる、そんな一枚になりました。
December 7, 2006 03:02 AM
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