JIMMY MCINTOSH
ジミーマッキントッシュなる初耳のギタリストのファーストソロがリリース。ネヴィルズの面々とロニーウッドがゲスト参加、ジャケ写のダサさが自分好み?とあって(今時車の前でギター抱えてCDタイトル書いた紙ぶら下げてるんですよ!)、なんか匂うなと思いゲット。
予想通りヴォーカル曲はアートネヴィルによる一曲のみ、あとはひたすらギターインストですが、なかに冗長な部分もあるものの、ジャズチューンからストーンズやジミヘンドリクスのカヴァーまでをカッコよくキメテくれます。とくにネヴィルズのリズムセクションによるミーターズ系ファンクチューンはやっぱり秀逸ですね。納豆のようにネバりまくって腰を直撃してきます。
ロニーウッドは極めて控えめなプレイに徹していますが、クレジットをみるともうひとり[HOT ROD」なる覆面ギタリストが三曲に参加、フレーズといいアームの使い方といいサウンドといいジェフベックそっくりじゃん!と思い、念のためジミーのHPチェックしたら、ジェフベック本人でした(笑)。
デレクもそうですが、なんか最近ジャズもファンクもパンクもロックもソウルもブルースも並列に並べてグチャグチャに混ぜて再構築するような音楽性をもったミュージシャンが目立ち始めてきたような気がします。面白いことだと思います。そういえばメデスキー マーティン アンド ウッドにジョン スコフィールドが加わった新作も超カッコよかったなあ。
それにしても、星の数ほどギタリストはいるのに、まだまだ新しいものが生まれる余地があるというのは、なんか不思議な気もします。常連のSさんがよく「ギターの指板のなかには宇宙がある」と言ってますが、まさに言いえて妙ですね。
JIMMY MACINTOSH [ORLEANS TO LONDON」 www.jimmymcintosh.com
October 29, 2006 10:13 PM
ラシッド・タハ
先日エルスールレコードにお邪魔したところ、店主原田さんが何やらCDの袋詰め作業中。聞けば着いたばかりのラシッド・タハの新譜で「凄くいいよ」とのこと。早速ゲットして帰って、以来当店でも目下これしかかかってない状態になっております。
マグレブ系移民の期待の星として、フランスを中心に活動中のタハですが、その伝統的なリズムを、控えめ且つセンスよいエレクトリックサウンドで強化させた革新的な音は、本作で益々磨きがかかってきたようです。プロデューサーのスティーブヒレッジの功績も大きいんでしょうね。付き合い長いですからね。各曲のルーツとなるリズムを判別する知識はありませんが、全編に通底する滲み出るようなグルーヴ感は、ちょっとしばらく病みつきになりそうです。
まさにサハラ・グルーヴ・ロックの真骨頂、個人的にはグナワ・ディフュージョンの感動をも上回る、最高の一枚となりました。
尚、エルスールレコードのホームページには、より簡潔で詳しいコメントがアップされてますので、ワールドミュージックファンはぜひご一読の上、売り切れる前に宮益坂を上りましょう!
ラマダンといいフェイルーズといいタハといい、なんかアラブ「キテマス」(笑)。
October 24, 2006 11:37 PM
愛しきベイルート
昨日、アップリンクファクトリーにてアラブ歌謡最高の歌手フェイルーズのドキュメンタリー「愛しきベイルート アラブの歌姫」の先行試写会がありました。ちょい遅れて入場、ほぼ満席状態ながらかろうじて一席確保。プロジェクターレベルのスクリーンとあって映画的な臨場感は希薄ながら、その濃密な内容に目を奪われ、あっという間の一時間強でした。
レバノンに生まれ、40年代の終わりにデビューして以来、多民族国家ゆえの過酷な内乱状態を経てなお、アラブ諸国の人々に生きる勇気と希望を与え続けた不世出の大歌手。といったアバウトな知識と数枚のレコードしか知らない自分でしたが、この映画のなかで現地の人々の口から語られるフェイルーズへの祈りにも近い思いを知るにつけ、これはもう本当にたいへんな歌手なんだということを思い知ることになりました。
とりわけ、映画のラストシーンを飾るライブの映像の凄さ!まことに不勉強で動くフェイルーズを観るのは初めてだったので余計に衝撃的だったのですが、いったい何なのでしょうか、この圧倒的な存在感は!
もはや自分の語彙では表現不可能です。近々一般公開されたら(されますよね?)、特にピンで歌うことを志している皆さんには、ぜひとも一度ご覧戴ければ幸いです。関係者でもないのに何か宣伝染みちゃいましたが、ほんとうにそう思います。
1935年生まれだからまだ70歳ちょい、近年は目立った活動はしてないようですが、何かと混迷を極める現代にこそ、また新たなる希望の歌声を響かせてほしいものです。
くどいようですが、彼女の凛とした歌声と立ち姿に身も心も、凍りました。
October 22, 2006 11:10 PM
LIVING IN THE MATERIAL WORLD
ジョージ・ハリスンの傑作ソロ(’73年作)がオリジナルアナログテープからのデジタルリマスターでリリース、細部までよく聴こえるバランスのいいサウンドで、ジョージの慈愛に満ちた優しく温かい歌が、ほんと心の奥の奥まで染みわたる感じです。個人的にはこれがリアルタイムで初めて買ったジョージのソロ(オールシングスは三枚組で高嶺の花でした)とあって、思い入れもひとしおです。
このリマスターによって、例えばジムケルトナーの手癖のごときロールやニッキーホプキンスとゲイリーライト(ピンクフロイド!)のキーボードのタッチやらが、クッキリと立体感を伴って立ち現れて、創作意欲に溢れていた当時の彼らのサウンドマジックを覗き見るようなスリルが味わえるようになりました。
それにしても、というか今更言うのもなんですが、このアルバムほんと名曲の渦ですね。最近デレク、デレクと騒いではいますが、ジョージのスライド、いいですよねー。味っちゅうもんがあります。このリイシューにはDVDが付いてますが、そこに「スーミー・スーユー・ブルース」のアコースティック・デモ・ヴァージョンが収められていて、このスライドソロ、まったくもってシビレてしまいます。
こうなると、この曲を鋭くカヴァーしたジェシ・エド・ディヴィスに思いがひとっ飛び、[ULULU」を引っ張り出して聞き惚れる始末。ジェシのスライド、いいですよねー。味っちゅうもんがあります。
ビートルズの音楽に絶妙の光と影を与え、続くソロ活動でも数々の名曲を残して天国へと旅立っていったジョージ。きっとジェシと一緒に一杯やりながらスライドバトルでもやってることでしょう。もちろんサイドはジョン、キーボードはビリーに決まってます。
尚、このDVDには’91年東京ドームでの来日公演から「GIVE ME LOVE」が収められていて、ジョージの在りし日の晴れ姿が拝めます(涙)。
October 12, 2006 08:12 PM
ラマダンの夜
渋谷で開催中のフェスティバル・コンダロータ。今年はアラブ系の音楽による「ラマダンの夜」という約一週間のイベントです。初日のファイズとカイハンカルホールは残念ながら行けず、二日目のデュオウードとグナワディフュージョンに行ってきました。
エレクトリック・ウード二人によるユニット(だからデュオウード)は、会場が椅子席の芝居小屋シアターコクーンということもあってか、音量的な物足りなさ(特にコンピュータのリズムトラック)は感じたものの、やろうとしている音楽は、非常に刺激的なものだったと思います。とりわけ、時にハードロック的に展開する歪んだエレクトリックウードの響きには、ギターとは一味違った倍音が宿り、音に厚みと深みを与えているように感じました。途中からアブドゥラティフ・ヤグブという歌い手が加わり、より色彩豊かなステージとなりました。聴きながら、数年前に亡くなったハムザ・エルディンや、クワトロでのアブデル・ガーデル・サリムのステージがフラッシュバックしたりもしたことでした。
続いてグナワディフュージョン。これはもうグナワのフィーリングをモロに伝える素晴らしいステージ。独特な響きを持つゲンブリと鳴り物(すみません、名前知りません)とパーカッション(ダルブッカみたいな音)との、アコースティックな構成でしたが、とにかくヴォーカルのアマジーグの歌がすごい!実はアマジーグ、二日連チャンで当店に来てくれて、夜明けまで飲んで歌ったりしてくれたのですが、その気さくな人柄なればこそ、歌に託したメッセージも、よりダイレクトに聴く者に伝わるのかな、と思いました。なんかスケールの大きさを感じさせるミュージシャンだなぁ。コクーンでは踊りだす客はいなかったけれど、六日のクワトロでは、よりヒートアップしたステージを披露してくれることでしょう。
今日のメルジャン・デデも、残念ながら行けなかったのですが、終演後寄ってくれたサカキマンゴーさんによれば、なかなか面白いステージだったそうです。でもやっぱり、音には不満あり、出来ればクラブ的なノリで聴いてみたかったとは仰ってましたけど。
このイベント、まだ二日ほど続きますが、当店のお客さんなどの感想を踏まえつつの個人的な印象でいえば、大成功かつ大変に意義深いものになったのではないでしょうか。カンバセーシヨンの皆さん、ほんとうにお疲れ様でした。まだの方は、間に合います、六日のクワトロへ、ぜひどうぞ!
October 4, 2006 11:14 PM
琵琶とブルース
薩摩琵琶の後藤幸浩さんと歌唄いの斉藤習ちゃんが、飲みの席で「何か一緒にやってみますか」という軽いノリで始まった話が、琵琶とブルースのセッシヨンとして昨日現実のものとなりました。なにせリハほとんど無し、曲順も開演一時間前まで未定って感じの荒業ざライブにつき若干心配もあったのですが、そこはそれ場慣れしたお二人のこと、ギタリストをとっかえひっかえで参加させてほんとに楽しいライブになったと思います。
後藤さんはもともとブルースギターで出発、邦楽の世界に身を置きながらもロックやジャズの評論をも並行して続けている方。かたや斉藤習ちゃんは若い頃ロックヴォーカルで鳴らしたあと、ブルースやソウルを基盤としつつも民謡から松田聖子?まで歌っちゃう豪の者。当たっているかどうか判りませんが、どこかブルースというものを「型」としてではなく「精神」として捉へる自由さみたいなものに、根本的な共通点を感じたりします。だからこそ、ユルい決め事での流れのなかにもおっと思わせる瞬間が生まれるのだと思います。
客席にはギターの心得あるお客さんがなんと十人も!習ちゃんから適当に指名されては、嬉々としてプレイしてくれました。カホーンのゆうさん、口琴のジョウ君そしておおいに場を盛り上げてくださった客席の皆さんも含め、ほんとにありがとうございました!
それにしても、後藤さんの琵琶に潜むブルースの香りとギターフレーズに潜む琵琶的な響きには、演奏者のなかに培われた何かが無意識のうちに音として表出する瞬間があり、その不思議さに暫し思いを馳せた一夜でした。またそのうち遊びましょう!
そうそう、この日、以前ポレポレでバイトしてくれてた青柳君と千鶴ちゃんが観に来てくれました。二人とも大人になったもんです。律儀に忘れずに居てくれるって、すごく嬉しいことですね。頑張れ若者!って、ジジイかオレは!
October 1, 2006 11:07 PM