DELEK TRUCKS BAND
ものすごく遅ればせながらですが、若干二十六歳のギタリスト、デレク・トラックスにハマってしまいました。二十歳でオールマン・ブラザース・バンドに加入したとか、日比谷野音でのステージが凄かったとか、エリック・クラプトン・バンドのツアーメンバーに選ばれたとか、その都度話題には上ってたし、自己名義のメジャーデヴューのCDやオールマンズのライブCDなど聴いてはいたのですが、今年一月シカゴでのステージを収めたDVD「SONGLINES LIVE」を観るに至って、完全にトドメを刺された感じです。
このギタリスト、そのテクニックたるやまさにワン・アンド・オンリー、ただただ唖然とするばかりですが、なぜかこれ見よがしな鼻につくところがまったく無い。なんか超絶ギターテクなのに、それを上回るギターの歌心みたいなものがあるんだなあ。
音楽的にも、オリジナルはもとより、ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン、ローランド・カーク、ライトニン・ホプキンスなどのカバーを織り交ぜて、自分の音として昇華しているので、見事なまでに自然体でステージが流れていきます。もうこんなの観ちゃうと、ギターとかあまり触りたく無くなっちゃうなあ。
まあこれ以上なにをいっても自分の拙い文章力では、その感じは伝わらないと思うので、最近刺激的なギタリストに出会えないとお嘆きの諸兄には、今度クラプトンバンドでも来日することですし、ぜひブレークするまえにゆっくりとご賞味ください。
最後に個人的な感想ではありますが、この若造、ギターの神様が地上に遣わした、ジミ・ヘンドリクス、ジェフ・ベックに次ぐ三人目のギタリストだと思います。うわっ、またファンに怒られること言っちゃった!
September 27, 2006 08:55 PM
アサイラム ストリート スパンカーズ
雨の日曜の夜、前の日記をアップして暇をかこってたところ、クワトロ公演を盛況に終えたアサイラムストリートスパンカーズ御一行十数名が乱入!歌うわ踊るわの大セッション大会、店中のテーブル、グラス、灰皿そしてカウンターが即席パーカッションと化してとことん盛り上がってしまいました。
スパンカーズといえば、リーダーアルバムを六枚ほどリリースしているテキサスの中堅カントリースイングバンドとして、アスリープアットザホィールなどとともにその筋ではかなり人気がありますが、いやはや皆若いしウマい!ジャズ、ブルース、カリプソ、カントリーなどなどレパートリーの広さもさることながら、ヴォーカル、ハーモニー、ギター、パーカスすべてがアコースティックなのにラウドで、自然とからだの一部が反応してしまいます。
この自信満々の音、きっとアメリカ中でもまれにもまれて培ってきたものなんでしょう。比較的マイナーなジャンルのなかでジャパンツアー組めるほどだから才能にも運にも恵まれてるのでしょうが、やっぱりそれを支えてるのは経験というか場数というか、そのようなものなのではないでしょうか。
昔「NO MUSIC NO LIFE]というシャレたキャッチがありましたが、これって日常に音楽が無いことが前提ではじめて有効なフレーズですよね。スパンカーズの連中は、たぶん若い頃から音楽の休み時間にちょっとだけ日常生活あり、って感じなのだと思います。
今回は二度目の来日だそうですが、次回はぜひ本ちゃんのライブを観てみたいと思わせる、ほんとイカシた兄ちゃん達でした。
September 18, 2006 07:40 PM
ロック トリビュート ライブ
スージィクワトロ、キッス、ジミヘン。六十年代から七十年代のロック華やかなりし時代に一世を風靡したスターバンドのトリビュートライブが上野のライブバーであり、常連の皆さんと一緒に遠征してきました。
結論から言えば、各バンドとも勢いと緊張感に満ちたなかなかのステージでした。その上で、何というか今の時点で自分はロックに何を求めているのかを考えさせられるキッカケともなりました。というのも、それぞれのバンドに対して、自分自身の感じ方が微妙に違っていたからです。
まず白眉はキッスバンド。これは熱さとノリでは、きっと同じ環境であれば本家を凌ぐステージだったと思います。とか言うとキッスファンは怒ったりするのかな?でもさほどキッスファンでもない自分的には、まずバンドありきでそれがたまたまキッスの曲をカバーしてる、と考えてるわけですよ。要するにキッスだからノルんじゃなくてバンドがグルーヴしてるから楽しいわけで、そこにノリのいいキッスの曲が乗っかるからハレの空間が生まれるというわけです。これは、たぶんメンバーの音に対する前向きなベクトルなしには生まれないものだと思います。この「前向きなベクトル」、きっとメンバーに聞けば好きな曲を頑張ってやってるだけというでしょうが、手馴れていくうちにだんだんと消えていくものなのでは。
実はトリのジミヘンバンドに、若干その傾向を嗅ぎ取ったりもしました。確かにプレイ自体はエクスペリエンス時代の曲をうまくカバーしてて感心はしましたが、出来ることなら今目の前にいる客を引き込む、カバーを超えた何かが欲しかった気がします。言い換えれば、今の時代を生きるバンドのジミヘン解釈が聞きたいってことでしょうか。でもまあ、言うは易しで、バンドの向こうにジミの面影を探すファンにとっては、まったく意味の無いことかもしれませんね。
スージィは、今日が初ステージとか。譜面台を見ながらの緊張気味の歌でしたが、バックの音圧に負けない声でウイウイしいパフォーマンスでした。見た目華があるし、場数踏んでいけばきっと素敵なヴォーカリストになることでしょう。
てなわけで、今の時点で自分はロックに何を求めているのか、すごく月並みではあるけれどそれはオリジナル、カバー、コピーにかぎらず「前向きのベクトル」を支える熱さ、です。冒険を忘れたバンド、意外と多いですよ。もちろん趣味のアマチュアバンドなら全然オッケーですけど。
あ、やばい!この先いつバンドやるかも判らないから、あんまり大きいこと言わんとこっと!
September 17, 2006 10:29 PM
TONY JOE WHITE
今日はTONY JOEの新作を一日中パワープレイ、久しぶりに頭のてっぺんまでスワンプロックの泥沼につかりました。今回は新曲プラスセルフカバーという内容ですが、もう活動暦四十年にもなろうというのに、この人ほどブレずに沼にハマってるミュージシャンは他にいないのではないでしょうか。しかもますます深みにハマってる感じだし。継続は力といいますが、この人の場合、力が継続してるだけ。そんな自然体の魅力に溢れた曲の数々、渋カッコイイにも程があります。ゲストにはクラプトン、マークノップラー、J.J.ケール、ウェイロンジェニングス、マイケルマクドナルドといった、いかにものちょい渋オヤジが名を連ねていますが、これがまた出すぎず弾きすぎずの好サポート、低く重く小さい声で呟くように歌い、トニジョウワールドに憎いばかりの彩りを添えています。
ある意味ヘヴィーメタルよりもヘヴィーなスワンプロック。そのイナタくヤサグレた世界に一度ハマったら最後、あとは静かに溺れ死ぬしかありません。今日は雨。「レイニーナイト イン ジョージア」が流れるレイニーナイト イン シブヤ。こんなクダラナイダジャレが頭に浮かぶオヤジには、直球ど真ん中の一枚だと思います。
本国アメリカよりもヨーロッパで人気のあるトニジョウですが、もしかして日本へは三十年ほど前に来たきりでは?溺れ死ぬまでに再来日を切にお願いしておきます。
[UNCOVERED] TONY JOE WHITE www.swamprecords.com
September 14, 2006 12:07 AM
9.11
世界を震撼させたあの同時多発テロから五年、もうそんなに経ったのかとも思えるし、まだそれだけしか経ってないのかとも感じるし、なんかこう実像が浮かばないような不思議な感じの自分がいます。あの日は、いつものようにポレポレでみんなとバカ話で盛り上がっていたところに知人から電話があり、早速TVをつけてあの衝撃のシーンを見た訳ですが、思えばあの時点でさえ恐ろしいことが起こったとは分かっても、あまりの事の突飛さゆえか現実感というものが全然湧いてこない自分がいた気がします。
巷では陰謀説でかまびすしいですが、どちらにせよその後のウソにウソを重ねてのイラク戦争ほかの経緯をみれば、キッカケとして何かが必要だったことは明白なわけだから、遅かれ早かれそうはなった、ということでしょう。
その後の五年間、世界はどう変わったか。正直いって、あのことで何かが大きく変わったような気は、しません。庶民レベルでは平和への希求が強まったのは確かでしょうが、その遥か頭上を飛び交う、相も変らぬ利権絡みの情報戦争はますます激しさを増してきてる気さえします。そんな流れのまま、言わば世の中良くなったのか悪くなったのかを判断する能力さえも無力化されたまま、時だけが過ぎてゆくといった感じではないでしょうか。
個人的にはインターネットという、人類が創り出した夢の情報神が世界中を配下に治めるに連れて、その利便性と裏腹に、人間のアナログな部分を真綿で締め付けるように圧殺してゆく、そんな風景が見えます。もちろん戻れないのは分かってるし、かといってこの先行くべきところは分からない。NO DIRECTION HOMEというメッセージが重く響きます。
とかいって、こんな醒めたような客観的なこと言ってること自体、自分自身の在り方として問題なんですけどね。
そして夢の情報神を使ってこの駄文をアップしてるわけですよ。おめでたいことです。
September 11, 2006 07:39 PM
ONE LOVE
故あって数日禁酒中。夏バテってとこですかね。ということで久々の日記です。ボブ・マーリの息子キマーニ・マーリ主演の映画「ONE LOVE」を観にシアターN渋谷へ。この映画、何はさておきスクリーンいっぱいに映し出される街や自然や人びとのシーンが実に美しい!日本とは太陽光線の密度が違うかのような錯覚に陥りそうな感じです。いわゆるラスタカラーと呼ばれる独特の色彩感覚が生まれたのも、むべなるかな、ストーリーそっちのけで暫し見惚れてしまいました。で、そのストーリーですが、クリスチャンとラスタファリという、それぞれに違う宗教に身を置くふたりが紆余曲折の末に周囲の反対を押し切り、音楽を通じて結ばれるという、分かりやすいラブストーリー。はっきり言って演技も筋立てもガサツな感じですが、何というかそのチープな雰囲気がいかにもジャマイカな感じで、かえってリラックスして楽しめました。キマーニもどこかしら親父の面影あるしね。あと、ジャマイカの音楽業界の裏事情もストーリーに絡めてあり、ちょっと笑えます。彼の地に行った事無いのに、行ってきた気分にさせられる、そんなすがすがしい一編でした。帰ってボブ・マーリでも久しぶりに聴くか。
September 9, 2006 08:01 PM