国境の南 world music & bar

DIARY

TAJ MAHAL

予想通り2月は低調のまま終了しましたが、それでも昨年同月比で言えば若干UPの不思議。不景気体感温度は最悪なのに。まぁ悪い数字比べても意味ナシですが(泣)。に加えてここ1週間の暇さ加減は、たぶん国境始まって以来のレベル。このペースが続けば年貢の納め時もそう遠くないことでしょう。

手をこまねいていても始まらないので、取り敢えずは3月の土日に限りDJシステムを開放して、どなたでも気軽にプレイできるようにしようと思います。自慢の音源をかけるも良し、レコ屋巡りの収穫を試聴するも良し、DJ姿を見せて彼女口説くも良し。集客とか気にせずにそれぞれ自由に楽しんで頂ければOK。ただし爆音ダンス系はご勘弁ください、店主が年寄りなもんで(笑)。ここからまた新しい音楽仲間の輪でも広がっていけばいいのですが・・・。もちろんエントリーフィーとかはナシ、通常の営業形態で時間も譲り合いながら適当に臨機応変で仲良く・・・。国境スタイルで行きましょう!

随分以前から気になっていながら、そのジャケのダサさで二の足を踏んでたタジ・マハール、1988年ロニー・スコッツでのライヴDVDを安価でゲット。今更ですが、やっぱこのひと最高!20年ほど前クアトロにロバート・グリーニッジとともに現れた時も鳥肌モノでしたが、この映像ではバックバンドおよび女性コーラスを従えて、ブルーズの枠を踏み越えカリブへと繋がるルーツ・ミュージックの赤い糸をどこまでも渋く渋く演じていて、感激です。
ブルーズを型としてショウ・アップして来たB・Bやバディ・ガイには最早まったく興味をなくしてしまいましたが、タジのようなブルーズをカバンに詰めて今だ終わらぬ旅を続けてるミュージシャンには、どうしても好意を持ってしまう、偏屈なわたしです。
今回改めて気付いたのは、ほんと必要最小限の音しか弾かないギターの上手さ。自らの歌との完璧なコール・アンド・レスポンス!自分間違いなく一生かかってもマネ出来ません(当然)。

ギターと言えば「THE DAYS OF ACOUSTIC GUITAR」なる4枚組のコンピがちょっと話題になってますね。ウリは70年代のアコギ名曲63曲すべてに、ギター・コードやらダイアグラムやら奏法解説やらを網羅した豪華ブックレットが付く、というところか。まさにオヤジ・アコギ・ファン狙い撃ち企画です(笑)。
まぁ気持ちは判りますが、各ミュージシャンが切磋琢磨の末に生まれたプレイ・スタイルやフレイズの妙技、シロウトが頑張ってもそうそう上手くは弾けませんて。て言うか、まず曲を味わって、好きになって、どうしても歌ってみたい曲だけ頑張って自分なりにコピればいいんでは?63曲もいらんでしょ?って感じ。
もうちょっと意地悪く言えば、教則本命のフュージョン・クロスオーヴァー・ギター少年みたいなアコギ・オタクがゴロゴロ生まれたらどうすんの?って感じ。

ざっと曲目見ると知らない曲や思い出せない曲はあるものの、知らないミュージシャンはひとりだけ(デイヴ・ロギンス)。手持ちのレコードともいろいろ重複するので、このCDはパス。高いし(笑)。

上手く言えませんが、その昔ささやかな精神の発露として輝いていた名曲たちが、こうした何か微妙に違和感を伴うベクトルで扱われるのって、どうなのかなぁ、ちょっと抵抗あるなぁ、というのが正直なところ。

コード譜やタブ譜やダイアグラムなんかただの記号、むしろ歌詞の深い部分をDIGすることのほうが本筋、かつ曲へのリスペクトにも繋がるのではないでしょうか。

でも本音言うと、買わないけど、立ち読みしたい(笑)。


March 3, 2010 10:27 PM

GALACTIC

飲食店にとって”魔のニッパチ”とはよく言われる定説ですが、まさしくその通り、寒いわ雪降るわ日数少ないわで、散々な今日この頃です。

ちょっと前にジャッキーのサイト「ミュージック・コロン」でギャラクティックの新作「YA-KA-MAY」の情報を知り、遅れ馳せながらゲット。これは凄い、沈みがちな気分も一気にフッ飛ぶくらいの快作。

前作も相当カッコよかったものの、ちょっとヒップ・ホップ度が強い分オジサンにはキツかったのですが、この新作はそうした新しい要素と、アラン・トゥーサン/アーマ・トーマス/ボ・ドリス/ウォルター・ウルフマン・ワシントンなどのヴェテラン勢による伝統的な要素とのサジ加減が絶妙で、まさに温故知新の鏡みたいなサウンドが楽しめます。たぶん今年のマイ・ベストかも(まだ2月だっちゅうに)。

魅力を一言で言えば「ニューオーリンズ・ガンボを現代風に調理した最強のヌーヴェル・ジャンク・フード、ジャムとファンク添え」みたいな。今年再来日するようですが、個人的にはディランなんかよりこちらのほうが気になってます。特にドラムス/パーカッションのスタントン・ムーアはどうしても生で見てみたいミュージシャンのひとり。曲の中に入り込んで独特の間合いでグイッとグルーヴさせるセンスには、舌を巻くばかりです。強いて言えばフィートのリッチー・ヘイワードに近い資質を感じるのですが、どうかな・・・。

余談ですが、リバースブラス・バンドをフィーチャーした2曲目「BOE MONEY」で、何故か「じゃがたら」が頭をよぎった自分は、やっぱヘンな奴かも(笑)。

何はともあれ、真冬に意味もなく熱くなりたい、そんな皆さんはぜひどうぞ!

February 18, 2010 08:08 PM

ロイヤルハンチングス

先週の琵琶+尺八による新春ライヴはお陰様でなかなかに盛況でした。”伝統を更新し続けるデュオ”の名の通り、御馴染みの古曲にも毎回新たな味が加えられて、ますます表現に磨きがかかってきた感じでした。琵琶の後藤さんはもともとブルーズ・ギタリスト、尺八の小浜さんもスティーヴ・ヴァイに鋭く反応する(笑)ロック通。なのでこのユニット、邦楽と洋楽との融合具合が、個人的な興味の肝。と言っても和楽器で洋楽カヴァーしました的な、ベタで表面的なことでは全然なくて、むしろ逆。古典を真摯に奏でれば奏でるほど、リズムのノリとかフレーズのニュアンスに、無意識のうちに洋楽的な要素が滲み出る、そんな感じのスリリングな演奏でした。
以上、最近特に「作り上げた音楽」よりも「滲み出る味に満ちた音楽」にますます強く惹かれる、加齢臭の滲み出たオヤジが通ります。

さて、今週木曜・祝日は、こちらも国境では御馴染みロイヤルハンチングスのライヴです。

2/11(木・祝) ロイヤルハンチングス レコ発記念ライヴ
          瀬戸信行(クラリネット)/熊坂義人(コントラバス)
          14:30オープン/15:00スタート ¥2000(1drink)

今回は国境初のデイ・タイム・ライヴです。昼下がりのひととき、最小編成のオーケストラによる世界音楽の旅を、のんびりとお楽しみ頂ければ幸いです。

今日のクロージングはハロルド・メルヴィン&ブルーノーツ。とろけるようなソウル・バラードに乗せて、切ない哀感が滲み出す珠玉の曲のかずかず。泣いちゃうかも・・・。

February 10, 2010 04:53 AM

BRUCE COCKBURN

今年も、立ち上がりはまずまずだったものの、先月後半はもうサッパリ。新年会はいつから死語になったのか、みたいな。オマケに2月初日が初雪ときたもんです。「待ち」の商売に携わる多くの店主は、まさに恨み骨髄の眼差しで天を見上げたことでしょう。ニュースでは「早めのご帰宅を」の大合唱、どこか「馴染みの店で夜明かしを」みたいな気の利いたこと、言えんのか(笑)。

代官山ポレポレ時代から、雪の日にかならず引っ張り出して聴くのが、カナダ出身のSSWブルース・コバーン、1971年の2nd「雪の世界」。マンマな邦題ですが、原題は「HIGH WINDS WHITE SKY」という、「世界」というよりはむしろ「天地」を想起させる、シンプルながらも壮大なスケール感を持つ大傑作アルバム。
たぶん80年前後だったか、渋谷パルコで観たマレイ・マクロクランとのジョイント・ライヴは、今でもマイ・ベスト・ライヴのひとつです(トムズ・キャビンに感謝!)。

壮大な仕掛けで月の裏側や宮殿の内側を暴いて見せたプログレとはまったく対極の、アコースティック・ギターと歌声だけでカナダの凍てつく大自然と、その中にぬくもりを与える暖炉の火とを、まさに3D映像のごとく描き出したこの作品は、それゆえに個人的にはプログレ・フォークという位置づけ。持ち味は違うものの似た感じで言えば、やはりカナダのジョニ・ミッチェル「BLUE」あたりかな。

この2枚とお湯割があれば暖房不要、心の中から温まれます。

Oneday I walk in flowers
Oneday I walk on stones
Today I walk in hours
Onday I sall be home  (from 「ONE DAY I WALK」)

さて今週末6日(土)は、御馴染み後藤さんと小浜さんの新春ライヴです。

2/6(土) 「伝統を更新し続けるデュオ」
       後藤幸浩(琵琶)/小浜明人(尺八)
       19:00オープン/20:00スタート ¥2500((1drink)

どうぞお誘い合わせのうえご来場をお待ちしております。

February 2, 2010 02:26 AM

美空ひばり

一昨日久々に痛風発作発症、これまでは左足がほとんどでしたが今回は右手首。これ飲食店主としてはマジ困ります(笑)。幸い自分左利きなので何とかどうにかなってますが、ちょっとしたことでも片手だといかに不自由か、思い知らされました。最近は特に暴飲暴食もせずにお利口にしてたつもりですが、それでも発症するということは、やはり現代の痛風医学では主流になりつつある「主因はストレスによる血中老廃物」というのが正解のような気がします。でもこんな不景気の世の中でストレスと無縁では普通いられませんよね。上手に付き合っていくしかありません。ミック、KUNIーBO、ご用心(笑)。

先週の「世界の音楽を聞く」はSP音源で聞く初期の美空ひばり。ひばりさんは日本で一番好きな歌手なのでこれまでもかなり沢山聞いてきたつもりだったのですが、今回のSP音源は衝撃でした。
戦後一気に解禁された大衆音楽の渦の中で、ポップス、ジャズ、ラテン、ハワイアン、カントリー、シャンソンからオペレッタ、果ては中国歌謡までを完璧にソレ風に歌い飛ばす艶やかな声は、まさにひばりのようです。今回の選曲でとりわけ鳥肌ものだったのは「晩香玉の花咲く頃」という1952年の中国歌謡。ひばりの超絶技巧、2段階ファルセットが楽しめます。

蒲田、北中、田中お三方監修でSP復刻CDなんて出たら狂喜乱舞ですが、まぁひばりさんクラスともなるといろいろとガードが固いようで、残念ながら現状では夢物語です。

話題変わって、最近よくお見えになるマニアックなファンク・ファンのKさんに昨夜エリック・バードン&ウォーの71年パリ・オランピアでのライヴDVDというレア物を見せて頂きました。
これがまたエグイ(笑)。ウォ−のロー・ライドなファンク・ビートに乗っかりつつも、あくまでも自身のルーツであるブルーズに引っ張ろうとするエリック。この両者が丁々発止、くんずほぐれつしながら延々とパリの夜を焦がす、ドロリと熱いライヴでした。

そう言えばブーティー・コリンズが在籍したJ・Bバンドとしては、唯一のライヴ盤「LOVE POWER PEACE」も71年オランピアでの収録。ヨーロッパはジャズやブルーズに対する貢献はよく知られてるところですが、こうなるとオランピアの70年前後の年間スケジュールとか、ちょっと知りたくなっちゃいます。

ということで、話を纏めようにも、ひばりとウォーじゃあ無理(笑)。
歌いたいという衝動を天性の才能でSP片面3分間に見事に閉じ込めて見せたひばり。
3分間の型を壊して得体の知れぬ混沌としたグルーヴを目指したウォー。

ヴェクトルこそ正反対ながらもそれぞれに究極を目指した、美しい記録。

てな感じで、勘弁してください(笑)。右手が痛い(泣)。

January 26, 2010 07:39 PM

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